ここではネットワークシミュレータ NS-2のインストール法,使い方を紹介しています.
NS-2 (Network Simulator 2)はカリフォルニア大学バークレー校(UCB)で開発された離散イベント型のネットワークシミュレータです.NS は TCP, ルーティング,マルチキャストプロトコルをサポートしており,インターネット上のプロトコル関連の研究に広く利用されています.
NS-2 は Solaris, FreeBSD, Linux をはじめとする UNIX の他,Windows95/NT 上で動作します.
NS-2 ではシミュレーションシナリオを OOP (Object Orignted Programming) 機能を拡張した Tcl である OTcl を使って記述します.このため,ns を使うには Tcl/Tk の環境が必須となります.
NS-2 と同じプロジェクトで nam (Network Animator) というプログラムも開発されています.これは NS-2 の出力データをもとにして,パケットの動きをアニメーション表示するためのツールです.
△先頭へNS のインストール方法には All-in-One パッケージを使う方法と,必要なツールを別々にインストールする方法の 2 通りがあります.All-in-One パッケージには ns とその補助ツールである nam (Network Animator),ns のコンパイルに必要な Tcl/Tk およびその補助ライブラリが含まれています.このほか,ネットワークトポロジの生成ツール GT-ITM が付属しています。
インストール作業は簡単です。適当なディレクトリに all-in-one パッケージを展開し,そのディレクトリに移って sh install とすればおしまいです。
コンパイルが終わったら cd ns2-xxx で ns のディレクトリに移り,make test として動作を確認しましょう。エラーが起きるテストもあるかも知れませんが,気になったら eratta のページで確認してください。
テストが終了したら,動作確認をしてみましょう.ns のソースディレクトリの下の tcl/ex の下にサンプルシミュレーションスクリプトがあります.ここではまず simple.tcl を実行することにします.
% ns simple.tcl
コマンドを実行してしばらくすると nam が立ち上がります(もちろん X の環境で実行しなければなりません).先程のスクリプトは,シミュレーション中にパケットトレースのデータを生成し,シミュレーションが終るとそのデータをもとに nam を実行させるようになっているのです.
さて,nam の画面には,先程シミュレーションしたネットワークトポロジとビデオデッキのようなボタンが表示されているはずです.Play (実際にそう書いてあるわけではありません)ボタンをクリックしてパケットの動きを見てみましょう.スピードが速すぎる(遅すぎる)と思ったら,画面右上にある Step のつまみをドラッグして調節できます.
ネットワーク図のリンクやパケットをクリックすると,パケットの追跡情報やリンクの利用帯域のグラフを表示できます.
nam を終了するには 'nam Console' ウインドウの File メニューから Quit を選択します.
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